足が腫れていないのに痛い
心当たりがない足の痛み
足の痛みが発生しても、必ずしも腫れや外傷が伴うわけではありません。歩行や日常の動作を繰り返すことによって、微細な負担が足に積み重なり、痛みを引き起こすことがあります。疲労の蓄積や骨格の異常など、目に見えない問題が根本的な原因となる場合も多いです。
たとえ腫れが見られなくても、放置しておくと症状が悪化する可能性があります。特に、足首の靭帯や軟骨に小さな損傷が加わると、後々の回復が難しくなる場合もあります。痛みが軽度なうちに適切な診察を受けることで、早期に治療を開始でき、後遺症を予防することができます。当院では、整形外科専門医による精密な検査と治療を行い、患者様が最短で回復できるようサポートいたします。
受診したほうが良い
足の痛みは?
「痛みがなかなか治まらない」「日常生活に支障が出ている」と感じた場合は、早めに専門的な医療機関を受診しましょう。
特に次の症状が現れた場合は、早期の対応が重要です。
- 強い痛みや長引く痛み(2週間以上)
- 発熱を伴う
- 歩行困難
- 足のしびれや感覚異常
- 足関節に強い痛み
- 立ち上がり時や歩き始めに強い痛みが生じる
- 坂道を歩くと痛みが現れる
- つま先立ちができない
- くるぶしの外側・内側に痛みが生じる
- 足に腫れや皮下出血が見られる
- 足に変形が現れる
など
捻挫ではないのに
足が痛む原因とは?
使いすぎによる痛み
長時間立ち仕事をしたり、運動を普段行っていない方が急に長距離を歩いたりすると、足に過度な負担がかかり、痛みが発生します。このような負担は、足首や膝、腰に徐々に蓄積され、結果として痛みを引き起こします。特に普段運動習慣がない方が、急にハイキングや登山などの長距離運動を行った場合、足首に疲労が蓄積し、痛みが現れることがあります。定期的なストレッチや軽い運動を習慣化することで、筋力や柔軟性を高め、過度な負担を軽減することができます。
疲労骨折
過度な運動や繰り返しの負担が足にかかることで、小さなヒビが骨に入る「疲労骨折」が発生することがあります。マラソンやランニングなどを日常的に行う人には特に多い症状です。適切な休養と栄養補給、筋力トレーニングを行い、骨の強度を保つことが重要です。また、過度な運動を避け、身体の違和感を見逃さないことも重要です。
足首の構造上の問題
生まれつき足の骨形状の異常や、足関節が不安定な場合でも、季節の変わり目やふとした動作時に痛みが生じることがあります。放置すると、余分な負担が関節にかかり続けることで、慢性的な痛みや激しい痛みを引き起こします。
靴の影響
高いヒールやサイズが合わない靴を履き続けることで、足首に過度の負担がかかり、痛みが生じることがあります。特に先細りのハイヒールは足首を不安定にし、負担が大きくなります。
代表的な足の病気
足関節捻挫・足関節骨挫傷・足関節(脱臼)骨折
足関節の骨折や捻挫の原因のほとんどは、スポーツ中の怪我や転倒などにより足首を内側にねじることで生じます。捻挫や骨折では靱帯の損傷も伴い、靱帯に強く引っ張られて骨の剥離による骨折を起こす場合もあります。患部が青紫に変色している場合は、重篤な損傷を受けている可能性があるのですぐに受診が必要です。
足首が不安定な状態が続くと、関節内の軟骨が減り、変形性足関節症に進行してしまう可能性や、バランスの不安定さから転倒リスクを上昇させます。特に高齢者が捻挫や骨折をすると寝たきりの原因となり、生活の質に大きな影響を及ぼします。
アキレス腱断裂
アキレス腱断裂は30~50代の発症が最も多く、子どもの発症も少なくありません。ふくらはぎの筋肉とかかとの骨を結んでいるアキレス腱は、唐突な動きや大きな動きによって特に強い負担を受けます。特に運動習慣がない方が突然激しい運動を行った場合に生じやすいとされています。アキレス腱や周囲の損傷などの状態を詳細に観察・分析することが適切な治療には不可欠であり、当院では丁寧な診察や超音波(エコー)検査で正確に状態を把握して診断しています。保存的治療では、筋力低下や可動域制限を起こしやすく、断裂の再発リスクが比較的高くなりますので、治癒後もしっかりケアやフォローを行うことが重要です。
変形性足関節症
変形性足関節症は、足首の関節に繰り返しかかる負荷や、過去の骨折・捻挫などの外傷によって、関節の軟骨がすり減り、骨に変形が生じる状態です。とくに外傷後の治癒が不完全な場合、関節の動き方に偏りが生じ、症状が進行しやすくなります。足は日常の立つ・歩くといった動作のたびに体重を支えており、わずかな異常でもバランスや歩行機能に影響を与えます。変形性足関節症は早期治療が重要です。軽い痛みや違和感でも、早めに当院の整形外科を受診して、早期の治療とリハビリを受けることが大切です。
外反母趾・扁平足
外反母趾は、足の親指が外側に曲がることで関節が変形する状態で、ハイヒールや足に合わない靴の長期使用、生まれつきの関節の柔らかさなどが原因となることがあります。足の甲には縦と横にアーチがあり、体重や着地の衝撃を吸収する役割を担っていますが、アーチが崩れると足にかかるストレスが増し、痛みやさらなる変形が進行します。扁平足は足裏のアーチが低下または消失している状態で、生まれつきの要因のほか、筋力や靱帯の問題も関係しています。重症化すると歩行困難を招くこともあるため、早めの対処が重要です。当院では、整形外科専門医による、医療用インソールやリハビリテーションで矯正することが可能です。手術が必要な状態になる前に早めに当院までご相談ください。
痛風
痛風は、血液中の尿酸が過剰に蓄積し、結晶化したものが関節に沈着することで起こる激しい関節炎です。遺伝的な体質に加え、食生活や飲酒などの生活習慣が発症に影響します。発作時は足の親指付け根に激痛を感じることが多く、歩行も困難になります。初期は消炎鎮痛剤による対症療法が行われ、その後、尿酸値のコントロールに向けた生活指導や薬物治療が始まります。発作を繰り返さないためには、水分摂取や栄養管理による予防が鍵となります。
足の慢性的な障害
(オーバーユース症候群)
日常生活や運動の中で足を酷使することにより、腱や筋肉、骨に障害が生じることがあります。これらを総称して「オーバーユース症候群」と呼び、アキレス腱や後脛骨筋腱の炎症が代表的な例です。原因には柔軟性の不足や筋力のアンバランスなどが関係し、治療には休息のほか、物理療法や運動療法によるリハビリが用いられます。再発防止のためには、適切なトレーニングや姿勢の見直しも重要です。
シーバー病
小学生から中学生の成長期の子どもに多くみられるシーバー病は、かかとの後方に痛みを伴うスポーツ障害の一種です。ジャンプや走る動作を繰り返すことで、かかとの骨とアキレス腱の接合部に炎症が起きます。成長期の子どもに対しては、適切な治療を行うことで将来の運動機能を守ることができるため、早期の対応と無理のない運動制限が求められます。
足底腱膜炎
足底腱膜炎は、足の裏にある筋膜が炎症を起こし、特にかかとの前方に痛みを感じる疾患です。足のアーチ構造が崩れたり、アキレス腱に過度な牽引がかかったりすることが主な原因とされています。当院では、足の状態や生活習慣を総合的に判断し、インソールや注射、物理治療や動注治療など、患者さんに最適な治療法をご提案しています。再発予防のための、自宅でできるストレッチやエクササイズの指導にも力を入れています。
足の痛みの診断
X線検査
骨折や関節の変形、骨の形状異常の有無を精密に評価するために実施される検査です。また、骨壊死や腫瘍性の病変を疑う場合に用います。さらに、関節リウマチに伴う骨の変化を把握する際にも不可欠な検査であり、疾患の進行度や治療方針の決定に役立ちます。
超音波(エコー)検査
筋肉、靱帯、腱といった軟部組織はX線検査では描出が難しいため、より詳細な観察には超音波検査を用います。超音波はリアルタイムで組織の動きを確認できる点が特徴であり、炎症の有無や損傷の程度を的確に評価することが可能です。
MRI検査
体内の組織を高精度に描出できる検査であり、X線では捉えにくい微細な骨折や骨挫傷の診断にも有効です。当院では、より精密な評価が必要な場合には、高度な検査設備を備えた医療機関と連携し、適切なタイミングで専門的な検査をご案内しています。
足の痛みの治療
安静と固定
足は体重を直接支える部位のため、負担を軽減することが大切です。症状に応じてシーネやギプス、サポーターなどで患部を安定させる処置を行います。また、必要に応じて松葉杖を併用することで、患部への負担を和らげ、早期の回復につながる場合もあります。
薬物療法
強い痛みや炎症がある場合には、鎮痛薬や抗炎症薬を用いて症状の緩和を図ります。症状の程度や部位に応じて、内服薬と外用薬を適切に組み合わせることで、より効果的な治療が可能となります。
理学療法や物理療法
炎症の早期改善を目指すには、適切なタイミングで理学療法や物理療法を開始することが重要です。炎症が治まることで、痛みなどの症状も次第に軽減していきます。症状が安定してきた段階では、ストレッチによる柔軟性の向上や、バランスよく筋力を鍛える運動療法を行います。こうしたリハビリテーションを継続することで、再発予防や長期的な機能維持にもつながります。
装具治療
(医療用インソール)
足の変形や歩行時のバランスが崩れている場合には、オーダーメイドのインソール(足底板)を使用することで、足にかかる衝撃を吸収し、痛みや不調の軽減が期待できます。とくに外反母趾や扁平足などの足部の構造異常を抱える方に対しては、高い効果が見込まれます。当院では専門の義肢装具士と連携し、一人ひとりの足の状態に合わせた最適なインソールを作製・提供しています。
動注治療
外反母趾の親指の付け根の痛みや、足底腱膜炎のかかとの付け根の痛み、アキレス腱炎の痛みなどに対しては、動注治療が有効です。自費診療になりますが、どこに行っても治療法がなかった痛みに対して、お力になれるかもしれません。
姿勢・歩行指導
足の変形や歩行時のバランスの乱れがみられる場合には、医療用のインソール(足底板)を使用することで、足にかかる衝撃を緩和し、痛みや違和感の軽減が期待できます。特に、外反母趾や扁平足といった足部の構造的な異常がある方には、症状の改善に有効です。当院では、整形外科専門医や義肢装具士、理学療法士が密に連携しながら、それぞれの足の状態や歩き方の癖に適したインソールをオーダーメイドで作製・提供しています。
加齢だけが原因じゃない?
若者も注意が必要な足の病気
加齢に伴い関節軟骨が徐々に摩耗し、足関節内で骨同士が接触しやすくなる「変形性足関節症」は、高齢者に多くみられる代表的な関節疾患の一つです。しかしながら、若年層であっても安心はできません。
特にスポーツ活動において足首に強い負荷がかかる場合、年齢に関わらず変形性足関節症を発症するリスクがあります。バスケットボールやサッカーのように、瞬発的な動きや方向転換が多く、足関節に負担が集中しやすい競技では、特に注意が必要です。
若年層における変形性足関節症の発症には、過去の外傷が関与していることが少なくありません。たとえば、足首の捻挫や骨折といった外傷歴がある方では、関節の安定性が損なわれ、その結果として軟骨への慢性的な負荷が蓄積し、病態の進行を促す要因となります。
加えて、若い世代に多く見られる運動器疾患として「アキレス腱付着部症」があります。これはアキレス腱と踵骨の接合部に炎症が生じるもので、主にジャンプやダッシュといった反復動作によりアキレス腱に過度なストレスがかかることで発症します。
これらは、ジャンプを多用するスポーツ、たとえばバスケットボールやバレーボールに取り組む競技者に多く見受けられます。運動後のアキレス腱周辺の痛みや違和感が長引く場合には、早期の診断と適切な治療が重要です。
足の痛みを
放置するとどうなる?
足の痛みを放置すると、症状が徐々に悪化し、やがて歩行が困難になるほどの激しい痛みに発展する恐れがあります。さらに、足の構造そのものが変形してしまうリスクも伴います。
たとえば、足の痛みの原因として代表的な「変形性足関節症」は、初期には軽い違和感や鈍い痛みといった症状にとどまることが多いですが、適切な治療を受けずに放置すると、関節軟骨の摩耗が進行し、やがて「骨棘(こつきょく)」と呼ばれる骨の異常な突起が形成されることがあります。
骨棘とは、骨の表面が本来の滑らかさを失い、突起状に変形した状態を指します。このような変形が生じると、強い痛みが引き起こされ、歩行時の可動域が制限されるほか、足首の動きそのものが悪化してしまうケースもあります。
また、足首の骨折や靭帯損傷などの外傷を適切に治療しないまま放置した場合も、痛みが慢性化したり、関節の安定性が損なわれたりする可能性があります。足首は全身の体重を支える重要な関節であるため、その機能が低下すると、足だけでなく膝や腰など他の部位にも過剰な負担がかかり、膝関節痛や腰痛などの二次的な症状を招くこともあります。
このように、足首に生じた痛みを軽視することは、将来的に日常生活に支障をきたす深刻な事態につながるおそれがあります。「ただの足首の痛み」と見過ごさず、少しでも違和感を覚えた場合には、できるだけ早く整形外科などの専門医療機関を受診することが重要です。